命がけ

山の水確保


 昨日の雨で、ついに、お風呂場に引いてある、給水施設から、水が出てこなくなってしまった。今日はお昼には、お客さんもあるが、下の息子さんたちが休みなようで「鎌倉さん、今日なら手伝いしますよ」って申し出があって、この機は逃せないと、体調がいま一つだが、ここは今日やるしかないと。実は先日の台風の大雨で、その給水施設に行く道の橋が壊されているとの情報もあり、その場所に行くには、まづはその橋を作り直さなければならない。チエンソーやらロープ等々必要と思われる、道具は準備して。いざ、出発。その給水施設に行く前の崖は山道を約一キロ。心臓の悪い僕は一緒についていくだけでハアハア。見たら、その橋は崩れた土砂で木端微塵に。その崖の角度は75度。見るだけで足がすくむ。そこに、足場を作って橋を架けようとしたが、先日の大雨はその足場の部分も、流してしまった。これからさらに、大雨になったらと考えた時、橋を架けるのは断念しようと。上からロープをぶら下げ、それにつかまって、崖は通る事に。その場所の手前にはやっぱり、足場が必要。ところが太くて長い木は、これが重くて動かないのだ。しかも崖の場所に立って、丸太を運ばなければならず、やがて、自分の体がフラフラと。呼吸も苦しくなってくる。しみ出した、岩を伝う水に口をつけ何とか水分を。やがて、立っていられなくなって、足場の丸太に横たわって動けなくなった。一緒に行った二人は心配にはなるが「鎌倉さん、こんな所で何かあったら運ぶことも出来ないので、とにかく、横になって休んでいて下さい」と。しばらくしたら、フミちゃんから電話で「お客さんが来たよ〜」と。フラフラしながらも、一旦作業を中止して家に戻り、食事を作って、お出しして、すぐに休養を。でもチャンスは今日しかないので、体調を何とか元に戻して「涼しくなったら後半戦をお願いします」と。そして、ようやく、給水口に到着。何年振りだろうか。給水口を掃除して、ストップしていた場所を見つけ修理して「やっと終った」家に戻ったら、出口からはいつもの山の水が流れていた。そんな山の水が今日の一枚です。この山の水がなければ、水道代も大変だし、何よりも自然水でのお風呂を楽しんでもらえない。心臓の故障と、75度の崖。まさに命がけなんです。